石原都知事の天罰発言を、精一杯好意的に解釈してみる。

天罰、我欲という、全体の印象を決定づけてしまう強烈な言葉を使わず、
地震を機に反省を促す』という主旨で、誰からも受け入れられそうな
演説文を書いてみました。




この度の震災によって生命を落とした方々のご冥福をお祈りします。
そして、幸いにして生命は取り留めたものの、傷つき、疲れ果て、
今も不安な夜を過ごしている方々に、お見舞いと励ましの言葉を贈ります。


地震によって街は傷つき、津波によって多くの生命が押し流され、飲み込まれてしまいました。
しかし、ただ悲しみに打ちひしがれ、自然の猛威に立ちすくむばかりでは悔しすぎます。
家族の、友人の、同胞の死を、無意味なものだったとは思いたくありません。
ならば、いっそあの津波で、我々の欲望をも洗い落としてしまいましょう。


私は、ずっと、日本人の心が荒んでいくさまを大きな憂いと共に眺めていました。
思いやりの心を持ち、身を慎んで他者のために尽くすことは美徳であり、
それはかつて多くの日本人の、ごく普通の姿でもありました。
しかし、経済成長のみを優先し、人々の絆が断たれていく中で、いつしか我々は
己の利益だけを考え、自分さえ良ければ他はどうなっても構わないと
考えるようになってしまいました。
我々は、日本人らしさを失いつつあるのです。


しかし、手遅れではありません。
今回、これほどの大災害にもかかわらず、被災地において、略奪や暴動などの
治安の乱れが少ないこと、規律を守って冷静に行動していることを、
世界から驚きをもって賞賛されました。
また、東日本だけでなく、西日本、遠く九州においても次々と救援隊の派遣が決まり、
全国から義援金が寄せられています。
我々は、まだ、やり直すことができます。


この未曾有の国難も、いつかきっと、乗り越える日が来ます。
自分さえ良ければ、という考え方を改め、誰かのために、誰かのためにと
手を取り合って復興への道を歩めば、その果てで我々は、
単に街を再生するだけでなく、
新しい日本人として生まれ変わることになるでしょう。
経済指標に惑わされず、見た目の豊かさを追い求めず、
温かい絆の中から生まれる幸福を何よりも大切にする社会。
そんな新たな日本の姿こそが、犠牲者の方々の魂を慰めるはずです。


みなさん、今こそ欲望を洗い流し、新しい日本のために団結しましょう。



地震を機に反省しろ』なんて、どれほど無茶苦茶な論理であるかを証明してやる
と思って書いてみたのですが、なんだか、まともです。
我ながら、感動的な文章だと思います。
例えば、天皇陛下が上の演説をした場合、何の問題もなく受け入れられると思います。


主張に問題がないとすれば、何がマズかったのか。


  • 天罰という言葉。

    東北の人々は震災で苦しんで当然の罪を犯した、という誤った印象を植え付けてしまう。

  • 傲岸不遜な態度。

    『一緒に頑張ろう!』と言っているようには聞こえない。

    むしろ『てめーら悔い改めろよ! 愚民どもが!』って感じ。

  • 自らの我欲あふれる行動を忘れている。

    これが一番でしょう。

    参考リンクを下に記しておきます。

    要するに、『てめーが言うな!!』ってことです。


【参考】
石原都知事 ケタ違い 豪華外遊
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik4/2006-11-16/2006111601_03_0.html


石原都知事の公費飲食 さらに237万円 元官僚の参与とも 最高1回41万円
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik4/2006-12-27/2006122715_01_0.html


石原都知事 公費私的流用問題 - ワンダーサイト問題
http://www21.atwiki.jp/ikarino_tomin/pages/9.html


Wikipedia 石原慎太郎 不透明な政策・私物化疑惑
http://bit.ly/hlrpdv


YouTube - 石原都知事 天罰発言
http://www.youtube.com/watch?v=-0yM309YxKk


YouTube - 東日本大震災 石原知事「天罰」発言を撤回、謝罪
http://www.youtube.com/watch?v=-wShnF4DjlI